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リヴィングなんていらない(!)   
リヴィングルーム再考

役目を終えた部屋

 ©fa-produce    
変化するライフスタイル

テレビアニメの「サザエさん」に毎回必ず出てくる「茶の間」が、現在のリヴィングルームのルーツ。
そこは食事をする場所であり、家族がテレビを観たり談笑する場所であり、
ノリスケやタイコさんなど、時には親しい客を持て成す簡易応接間にもなっている。
さらにはちゃぶ台を片づければ寝室にもなるという具合に、かつての茶の間は汎用性が高く、
とても便利に使える場所だったけれど、今のリヴィングにそんな賑わいや汎用性はあるだろうか?

立派なソファは見たところあまり使われていないようだし
洗濯物や買い物の食材がコーヒーテーブルの上に置かれたままだったりする。
そんな光景を見るたび、リヴィングルームの使命は終わってしまったかのように思える。

現代は子供も塾や部活、友達付き合いに大忙しのようだし、
オトナが忙しいのは昔も今も一緒で、サザエさんの茶の間で展開したホノボノとした暮らしは
今では極めて少数派になったかも知れない。
だとしたら、毎回プランで苦労する都市部の家の間取りから、
もうそろそろリヴィングルームを削除してもいい頃だろう。

かつて流行った応接間のように、もしかしたらリヴィングルームも
明確な使命というか使い道など存在しないまま、
単なる文化的イメージ、豊かさの象徴としてつくられた場所なのかもしれない。

リヴィングルーム再考

かつて日本の住宅には応接間や、稀に書斎をつくる間取りが流行った。
でも実際にはやはり使われなかったのだろう、すぐにそれらの部屋は姿を消してしまった。

あれと同じようなことが、現代のリヴィングにあるような気がしてならない。
でもリヴィングは書斎や応接間よりは幾分利用価値があると見え、
なかなかプラン図の中から姿を消さない。
リヴィングは間取りの ” 定番商品 ” であり、広いリヴィングはかつて富の象徴だったから
おいそれと間取図の中から姿を消さないのだろう。

実際あっちを切り詰めこっちを切り詰め、広いリヴィングは捻出されるけれど、
リヴィングを広くした影響で他の部屋にシワ寄せが及び、
なんだか家中すべての部屋が小さく、チマチマしてしまった。
少なくとも新聞に挟まれてくるチラシの中には、そんな間取りばかりが目立つ。

完成品である分譲住宅やマンションはそれでイイとしても、
これから注文住宅をつくろうとしているひとは、リヴィングの在り方を再考してみるべきだ。
敷地に余裕がなく、苦しいプラン構築が予想される場合はなおさらだ。
利用価値がそれほど高いとは思えない場所(部屋)は潔く削除し、
必要な場所には思い切ってコストと面積を配分すべきだろう。

ダイニングこそ現代の茶の間。

賑わいをすっかり失ってしまったリヴィングとは正反対に、
ダイニングルームは相変わらず盛況どころか、ますます利用価値が高まっているように見える。
ホノボノとした暮らしがなくても、ご飯はちゃんと食べるはずだし、
忙しい現代だからこそ、リヴィングにまでは行かないけれど食事の最中には家族と会話もする。

本来、ダイニングはただ食事をするだけの場所であり、
食事が終わればリヴィングルームのソファに移動し、一家団欒をというのがつくり手側の目論見で、
そういう間取りでつくり手側は豊かで文化的な暮らしを提案したかったのだろう。
でも実際はソファを座椅子代わりにし、床の上に座布団を敷いて座る人は多かった。
私が子供のころ、食事の時にテレビを観ることは言語道断だったけれど、
堂々とダイニングルームにテレビが置かれるようになると、リヴィングの座はちょっと怪しくなってくる。

食事しながらでもテレビも観ることができるから、ついでに一日あったこともボソボソと話すだろう。
ダイニングルームはキッチンから近く、もしくは一体となっているから楽チンだ。
そんな楽チンな場所だから、知人や友人を持て成すのももちろんダイニングルームだろう。

どうだろう、かつての茶の間の役目はすっかりダイニングルームが果たしてはいないだろうか?
少なくとも当社の住まい手たちは、知らないうちにダイニングを茶の間化しているように思えるのだが。


エフエープロデュースの対応。

時には既成概念に捉われず、いろんなアイディアや発想を再考することこそが
注文住宅の醍醐味のはずで、それでこそ注文住宅を選択する意味があるはずだ。

今回の ” リヴィング再考” もまさしくそんな典型で、
決まりモノのように存在した LDK の中から L を排除してはどうだろう?
などと切り出すと、決まって住まい手は驚き、中には怒り出す人までいる。
でもヒアリングの中からリヴィング不要と思えれば、私は躊躇なくそんな提案をする。

ちょっとイメージしてほしい。

さほど利用しないであろうと思われるリヴィングを潔く廃し、
使い勝手の良いダイニングルームに快適なダイニングセットを仕込む。
従来のダイニングルームをアップグレード、新たな付加価値を盛り込もう。

面積に少しの余裕があれば、ダイニングルームの一角をライブラリにしたり、
シアター or オーディオを設える手もあるだろう。
食事から会話、そしてデザートを愉しんだり音楽さえ楽しめる場所になるではないか。

どうだろう、それでもあなたは間取り図の中の ” L ” を排除することを躊躇するだろうか?

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