間取りの話 ①

薄い関心

「間取り」は家づくりにおいて、間違いなく最重要項目のひとつで単に部屋を配置する以上に、

そこは住まい手の「暮らし方」と「価値観」が反映されることになる大切な作業ですが、

住まい手の関心はそれほど高くないという印象を持っています。

家族構成から部屋数を決定し、面積を決定し、後はそれにLDKを加え、リビングは少し広めに・・

一般の住まい手が考える「間取り」とは、概ねその程度でしかありません。

「それで十分じゃないか・・」という声が聞こえてきそうですが、実際この程度の認識でも

モノとしての家は建つでしょうが、それで長い間、大きな不満なく暮らせるかどうかは

昨今のリフォームブームが現わしており、

その多くで「間取りの変更」が実施されていることは周知の事実です。

「間取り」などという地味なプランを考えるよりも、外壁のカラーや材質

魅力的なキッチンシステムに使いやすそうな設備機器など、住まい手の目には間取りを考えるより

直感的なお楽しみが多くある「モノ」の方に関心が行きがちなのは分かりますが、

所詮モノはモノでしかなく、お楽しみはそう長くは続きません。

それに対して「間取り」は住まい手の暮らしそのものに関わる部分であり

適切な間取りはそこに暮らす人たちに、長い間幸せを与え続けてくれるのです。

定番を考え直してみる(!)

家族に必要な部屋数にLDKを加え、間取りは完成・・というのが現在の家づくりの定番となっています。

なんの疑いもなくこれらの作業が行われていますが、はたしてそれで本当に良いのでしょうか?

と、もう一度考え直してみてください。

例えば親子4人の家族が、新居を計画するとします。子供は中学3年生の女子と小学6年生の男子。

ご夫婦は男の子が将来結婚し、同居してくれると考えがちでしょうが、最近はそうでもありません。

仮に二人の子供のどちらもご夫婦と同居してくれないとすると、ふたつの子供部屋は不要となり

多くの場合それらの部屋は2F以上に作られることも多いため、齢を重ねたご夫婦が利用するのは少し不便。

それでも時々孫を連れて遊びに来るからその部屋はそのまま放置しておく。

子供部屋を優先したためご夫婦の主寝室は少し窮屈で、広々とした子供部屋だけが残るでしょう。

家族4人で暮らせる時間を想定してみると、そう長くはないことに気づきます。

この場合、どんな間取りがこの家族に必要でしょう?

そう考えると、誰もが定番と信じて疑わない家族分の部屋+LDK という考え方は

必ずしも適切ではないと思えてきませんか?

少しだけ先読み。

家づくりを考えるとき、少なくとも20年先までの暮らし方を先読みする。

そんな意識が必要ではないかと私たちは考えています。

まだ子供たちが小学校低学年のころに家づくりを考えるのと

中学、あるいは高校生の子供がいる場合と、間取りの考え方は違ってくるはずです。

将来、子供部屋をご夫婦の主寝室拡張を見越して間取りをプランしたり

あるいはご夫婦の趣味を生かせるスペースに充てたりと、子供部屋の配置や面積、

あるいは構造を前もって想定しておくことも大切な間取りの考え方のはずです。

また少しでも広いリビングを好む傾向にありますが、広大なリビングがそれほど

有効に活用しているとは思い難く、それとは逆にダイニングはかつての茶の間のように

家族が集まる場所へと変化していると私は感じています。

食事をする場所がそのまま談話の場所になるというのはとても効率的で

特に都市部の住宅においてはダイニングルームを充実させる間取りは大いに有効と思えます。

また玄関も問題の多い場所といえる場所で、まだまだ改善の余地が残されています。

という具合に、間取りについてはとても1度で語りつくせるはずもなく、

この先も「間取り」については適宜書き足してゆく予定ですが、

現在まさに家づくりを始めようとしている住まい手の方々。

もう一度ゆっくり間取りを考え直してみてはいかがでしょう?

「間取り」を創るのは
家づくりの中でもっとも難儀な場面ですが
もっとも楽しい部分とも言えます。
その後の暮らし方にも大きく影響するため
「間取りプラン集」など参考にせず
家族のための家を
ゆっくり楽しんで創りましょう。

©faproduce

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